この動画を見ればわかること
本動画では、
・賃上げ特例の条件(第19回公募要領ベース)
・事業場内最低賃金の考え方
・未達の場合のペナルティ
・採択後にやるべきこと
・完了時に提出する書類
を、実務目線で詳しく解説しています。
動画の文字起こしテキスト
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みなさん、こんにちは補助金&ビジネスモデル研究所です。経験15年以上のベテラン中小企業診断士が解説します。今回は持続化補助金の賃上げ枠について解説します。
下手をすると、補助金が採択されて、支出もすんでいるのにお金がもらえない!ということがふつうに起こり得ます。ぜひご覧になってください。
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基本事項を確認していきましょう。持続化補助金の通常枠は
・補助率:2/3
・補助上限:50万円
となっています。
採択・交付決定されれば、最大75万円使って、50万円が戻ってくるということです。
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「賃金引上げ特例」では、
・補助上限200万円
・赤字事業者は補助率3/4
・優先採択(加点)
となります。
つまり、採択・交付決定されれば、最大300万円使って、200万円が戻ってくるということです。赤字事業者は、約267万円使って、200万円が戻ってくるということです。
この特例を受けるための条件は、
補助事業終了時点で
事業場内最低賃金を+50円以上引き上げること
です。
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事業場(じょう)内最低賃金とは?
ここが超重要です。
「事業場内最低賃金」とは、
従業員の中で最も低い時間給の人の賃金です。
複数の事業所がある場合は、ここでは会社全体でもっとも賃金の低い方と考えましょう。
・基本給部分のみ
・歩合給は含まない
・申請時点の賃金が基準
というのがポイントです。
月給の場合は、1日の所定労働時間と、年間の休日日数から算出していきます。
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賃上げできなかった場合のペナルティ。
これが一番大事です。
公式サイトにはこう明記されています。
「賃金引上げ特例の要件を満たさない場合は、補助金は交付されません (特例による上乗せ部分のみではなく全体が交付対象外となります)」
賃上げ特例を選択して条件を満たせなかった場合、上乗せ部分だけでなく補助金全体が交付対象外になります。
つまり補助金ゼロになる可能性があります。これはリスクが大きいですよね。
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具体的な例をみていきましょう。
「賃金引上げ特例」では、
申請時点の最低賃金より
+50円以上にする必要があります。
例えば、
Aさん 1,200円
Bさん 1,230円
Cさん 1,250円
の場合、
Aさん 1,250円
Bさん 1,250円
Cさん 1,250円
としなければならないということです。1人だけ上げれば良い、というわけではないので注意してください。
従業員数が多い場合は、インパクトが大きいので要注意です。
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Aさんがもし退職しまった場合はどうなるでしょうか。
公式サイトにはこう記載されています。
事業場内最低賃金の対象者が退職した場合は、補助事業の終了時点において、次点の従業員を事業場内最低賃金の対象者として、申請時の事業場内最低賃金+50円である必要があります。
つまり、申請時に
Bさん 1,230円
Cさん 1,250円
であったと考えて、補助事業終了時点までに
Bさん 1,280円
Cさん 1,280円
としなければ、補助金がもらえないということになります。これはルールがわかりにくく、十分起こり得る事態なので要注意です。
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申請時点で従業員がいない場合、出産などで休職している場合、賃上げ特例は使えません。
また、賃上げ特例で採択されたのに補助事業終了までに従業員が休職・退職していなくなってしまった場合も、補助金がゼロになります。ここを誤解している方が多いので注意してください。
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採択されたあとの流れをみていきましょう。
流れは:
1 採択通知
2 交付申請(見積・賃金書類提出)
3 交付決定
4 事業開始
5 実績報告
となります。
交付決定前の支出は補助対象外になるので、注意してください。
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賃上げ特例の場合、
②交付申請時、⑤実績報告時に、通常の書類のほかに追加で提出しなければならない書類があります。
それは、
・直近1か月分の賃金台帳(全従業員分)
・賃上げ後の雇用契約書
です。
補助事業の終了時点で事業場内最低賃金を、申請時から+50円以上引き上げていることが、その書類から確認できなければ、補助金が出ない、という悲劇が起こってしまいます。
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賃上げ特例は
✔ 上限が大きい
✔ 優先採択
✔ 赤字でも有利
しかし
✔ 条件未達で全額不交付リスク
✔ エビデンス書類の整備が必須
という負担も大きいです。
「取れるから取る」ではなく、
「リスクを把握して取りにいく」
が正解です。

